読み物コラム

猫のゴロゴロ音のふしぎ|どうやって鳴らす?うれしい時だけじゃない理由

公開:2026年9月24日

この記事は一般的な情報をもとにまとめたもので、動物看護師による内容の確認を順次進めています。診断や治療の判断は、必ずかかりつけの動物病院で行ってください。

世界一かわいい猫種、アメリカンショートヘア。ひざの上でなでていると、どこからともなく聞こえてくる「ゴロゴロ…」という音。あの音を聞くと、どんなに疲れていても心がほどけていきます。

でも、あのゴロゴロ音、いったいどこから、どうやって出しているのでしょうか。実は、猫のゴロゴロ音には、まだはっきりわかっていないことがたくさんあるのです。

ゴロゴロ音はどうやって出ている?

有力な説:のどの筋肉が細かくふるえる

現在よく知られているのは、のどの奥にある喉頭(こうとう:声を出す器官)の筋肉がとても速いリズムで収縮し、声帯のあたりがふるえることで音が出る、という説です。息を吸うときも吐くときも音が出るため、あの途切れない「ゴロゴロ」になるといわれています。

音の高さは、一般に1秒間に25〜150回程度のふるえ(25〜150ヘルツ)くらいの低い音とされています。

新しい研究も:声帯そのものの特徴?

一方で、近年の研究では、猫の声帯には低い音を出しやすい特徴があり、筋肉の細かい動きがなくても低い振動が生まれる可能性がある、という報告も出ています。

ほかにも、昔は「血液の流れの音」とする説もありました。つまり、仕組みはいまも研究が続いていて、諸説あるというのが正直なところです。身近な音なのに、まだ謎が残っている。そんなところも猫の奥深さですね。

ゴロゴロを鳴らす主な場面

場面 考えられる気持ち・理由
なでられている、ひざの上 安心・満足
ごはんの前 「ごはんください」のおねだり
母猫が子猫にお乳をあげるとき 「ここにいるよ」という合図
子猫がお乳を飲むとき 「元気に飲んでるよ」という合図
動物病院の診察台の上 不安・緊張をやわらげようとしている可能性
体調が悪い、痛みがある 自分を落ち着かせようとしている可能性

うれしい時のゴロゴロ

いちばんよく聞くのは、やはりリラックスしているときのゴロゴロです。なでられたり、ブラッシングされたり、飼い主さんのそばで眠りにつくとき。目を細めて、体の力が抜けて、ゆったりとした低いゴロゴロが続きます。

アメショの場合、がっしりした体全体がゴロゴロと共鳴するので、ひざの上に小さなエンジンが乗っているような頼もしさがあります。この振動を感じられるのは、アメショと暮らす人だけの特権です。

「ごはんください」のおねだりゴロゴロ

ごはんの時間が近づくと、いつもより少し高い音がまざったゴロゴロで足元にすり寄ってくる。そんな経験はありませんか。

海外の研究では、おねだりをするときのゴロゴロには、人の赤ちゃんの泣き声に似た高い音の成分がまざっていて、人が無視しにくい音になっている、という報告があります。食いしん坊な子が多いアメショなら、きっと心当たりがあるはず。かわいさに負けて与えすぎないよう、1日の量は給餌量の計算ツールで確認しておきましょう。

要注意:体調が悪い時にもゴロゴロする

ここがいちばん大切なポイントです。猫は、具合が悪いときや痛みがあるとき、出産のときなどにもゴロゴロを鳴らすことがあります。自分を落ち着かせるため、あるいは周りに助けを求めるためではないかと考えられていますが、理由ははっきりわかっていません。

つまり、「ゴロゴロいっているから元気」とは限らないのです。

こんなゴロゴロは様子をよく見て

  • じっとうずくまったまま、ゴロゴロが続いている
  • ごはんを食べない、元気がないのにゴロゴロしている
  • 呼吸が速い、口を開けて呼吸している
  • 触ると嫌がる、隠れて出てこない

このような様子があるときは、ゴロゴロではなく体全体の様子で判断し、早めに動物病院に相談してください。特に、呼吸が速い・口を開けて呼吸しているときは急ぎの受診が必要なことがあります。詳しくは猫が口を開けて呼吸している・呼吸が速いときをご覧ください。吐いている場合は猫が吐いたときも参考になります。

「ゴロゴロで骨が治る」は本当?

「ゴロゴロの振動には、骨や体の回復を助ける効果がある」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、ゴロゴロの周波数が、骨の治療などに使われる振動の周波数と近いことから生まれた説です。

ただし、猫のゴロゴロで骨が治ることが科学的に確かめられたわけではありません。ロマンのある仮説として楽しむのはよいですが、ケガや病気の治療は動物病院に任せましょう。

ゴロゴロを楽しむ小さなコツ

  • 耳の付け根、あごの下、ほっぺなど、猫が好きな場所をやさしくなでる
  • ブラッシングの時間を習慣にする(ゴロゴロ率が高い時間です)
  • 猫が離れたがったら、すぐに手を止める

ゴロゴロは、猫と人が気持ちを通わせる大切な時間。無理に引き出すものではなく、猫のペースを尊重することで、自然と聞こえてくるものです。

まとめ

ゴロゴロ音の仕組みはまだ諸説あり、鳴らす理由も「うれしい」だけではありません。だからこそ、ふだんのゴロゴロの音や、そのときの様子を知っておくことが、体調の変化に気づく手がかりになります。

世界一かわいい猫種であるアメショのゴロゴロは、飼い主さんにとって最高の子守歌。今夜もひざの上の小さなエンジンの音に、耳を傾けてみてください。鳴き声の意味が気になる方はアメショ語辞典もどうぞ。

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