アメショを知る

アメショがかかりやすい病気まとめ|好発とされる病気と、猫に多い病気の早期サイン・受診目安

公開:2026年9月24日

この記事は一般的な情報をもとにまとめたもので、動物看護師による内容の確認を順次進めています。診断や治療の判断は、必ずかかりつけの動物病院で行ってください。

世界一かわいい猫種、アメリカンショートヘア。全体としては体が強い猫種といわれますが、「アメショだからこそ気をつけたい病気」と「猫ならどの子も気をつけたい病気」があります。

この記事では、アメショの飼い主さんが知っておきたい病気を、次の3つに分けて整理しました。

分類 意味 この記事で取り上げる病気
アメショに好発とされる 猫種としてかかりやすいと報告されている 肥大型心筋症(HCM)
体質的に注意したい 猫種の病気ではないが、アメショの体質(食欲・体格)と関係が深い 肥満、糖尿病
猫全般に多い どの猫種でも多い。アメショも例外ではない 尿路結石・膀胱炎、歯周病、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症

「アメショは○○になりやすい」という話は、インターネット上にたくさんありますが、はっきりした根拠がないものも含まれています。この記事では、猫種としてのかかりやすさがはっきりしないものは「好発」として扱わない方針で書いています。

なお、この記事は病気の「気づき方」をまとめたもので、診断や治療法を示すものではありません。気になるサインがあれば、動物病院で相談してください。

【好発とされる】肥大型心筋症(HCM)

心臓の筋肉が厚くなり、血液をうまく送り出せなくなる病気です。猫の心臓病の中でいちばん多く、アメリカンショートヘアはかかりやすい猫種のひとつとされています。

項目 内容
特徴 かなり進行するまで症状がほとんど出ない
発症年齢 若い成猫から高齢まで幅広い
早期サイン 寝ているときの呼吸数が増える、遊ぶとすぐ疲れる、以前より寝てばかりいる
見つけ方 聴診、心エコー(超音波)、血液検査(NT-proBNP)など

受診の目安

  • 1歳を過ぎたら一度、心臓の検査についてかかりつけ医に相談
  • 寝ているときの呼吸数が1分間に30回を超える日が続く → 早めに受診(40回を超える・苦しそうなときはすぐに受診)
  • 口を開けて呼吸している、後ろ足が急に動かない → 夜間でもすぐに受診

詳しくはアメショと肥大型心筋症(HCM)、緊急時のサインは口を開けて呼吸している・呼吸が速いときと後ろ足が急に動かない・痛がって鳴くときを読んでおいてください。

あの元気いっぱいのアメショの心臓を守れるのは、毎日そばにいる飼い主さんです。

【体質的に注意】肥満

アメショは、ネズミ捕りとして活躍してきた「働く猫」の子孫。旺盛な食欲とがっしりした体は、その名残です。室内で暮らす今は、それがそのまま太りやすさになります。筋肉質なので、太っても「立派な体格」に見えて気づきにくいのも要注意ポイントです。

項目 内容
起こりやすいタイミング 避妊・去勢手術のあと、1〜2歳以降に体重が増え続けるとき
早期サイン 肋骨が触りにくい、上から見て腰のくびれがない、おなかが垂れる
関係する病気 糖尿病、関節の痛み、心臓への負担、肝リピドーシス(急に食べなくなったとき)

受診の目安

  • 体型チェック(BCS)で太り気味〜肥満と出た → 次の健康診断で減量の相談を
  • ダイエット中に丸1日以上食べない → 早めに受診(急な絶食は危険です)

減量の進め方はアメショが太りやすい理由とダイエットで詳しく紹介しています。

【体質的に注意】糖尿病

血糖値を下げるホルモン(インスリン)がうまく働かなくなる病気です。猫では肥満が大きな危険因子とされ、中高齢の猫に多くみられます。アメショという猫種だから特別に多いとはいえませんが、太りやすい体質と無関係ではありません。

項目 内容
早期サイン 水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、よく食べるのに痩せてくる
進行したとき 元気がない、食欲が落ちる、吐く、かかとをつけて歩く(後ろ足の神経の障害)

受診の目安

  • 水を飲む量やおしっこの量(トイレの砂の固まりの大きさ・数)が急に増えた → 早めに受診
  • ぐったりしている、吐き続ける → すぐに受診

食べているのに痩せる場合は猫が急に痩せたときもあわせてどうぞ。

【猫全般に多い】尿路結石・膀胱炎

おしっこの通り道(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に起こるトラブルは、猫の受診理由として非常に多いものです。まとめて「下部尿路疾患(FLUTD)」と呼ばれることもあります。

項目 内容
主な種類 特発性膀胱炎(原因がはっきりしない膀胱炎)、尿路結石、尿道がつまる尿道閉塞など
関係するといわれる要因 水を飲む量が少ない、肥満、運動不足、ストレス
早期サイン トイレに何度も行く、1回の量が少ない、血尿、トイレ以外でおしっこをする、陰部をしきりになめる

受診の目安

  • トイレに何度も行くのにおしっこがほとんど出ていない → 夜間でもすぐに受診。特にオスは尿道がつまりやすく、命に関わることがあります
  • 血尿、回数が増えた → 当日〜翌日には受診

詳しくは猫がおしっこが出ない・トイレに何度も行くときを読んでください。水をたくさん飲める環境づくりと体重管理が、いちばんの予防になります。

【猫全般に多い】歯周病

歯垢や歯石がたまり、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。成猫の多くに何らかの歯のトラブルがあるといわれるほど身近な病気です。

項目 内容
早期サイン 口のにおいが強くなる、歯ぐきが赤い、歯石がついている
進行したとき よだれ、口を気にして前足でこする、硬いフードを食べにくそうにする、片側だけで噛む

受診の目安

  • 口臭や歯石に気づいた → 次の健康診断で相談
  • よだれ・出血・食べにくそう → 早めに受診

子猫のうちから歯みがきに慣らしておくのがいちばんの予防です(毛の手入れ・歯みがき)。

【猫全般に多い】慢性腎臓病

腎臓の働きが少しずつ落ちていく病気で、高齢の猫にとても多くみられます。初期は症状がほとんど出ず、血液検査や尿検査で見つかることが多い病気です。

項目 内容
早期サイン 水を飲む量が増える、おしっこが薄く量が多い、少しずつ痩せる
進行したとき 食欲が落ちる、吐く、毛づやが悪くなる、元気がない

受診の目安

  • 7歳を過ぎたら、健康診断で血液検査と尿検査を
  • 水を飲む量が増えた、痩せてきた → 早めに受診

【猫全般に多い】甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが出すぎて、体の代謝が上がりすぎる病気です。中高齢(おおむね10歳前後から)の猫に多いといわれます。

項目 内容
早期サイン よく食べるのに痩せる、落ち着きがなくなる、夜によく鳴く、毛づやが悪くなる
注意点 「食欲があるから元気」と見過ごされやすい。心臓にも負担がかかる

受診の目安

  • シニア期の健康診断で甲状腺ホルモンの検査を相談
  • 食べているのに痩せる、急に活発になった・よく鳴く → 早めに受診

シニア期の病気全般はシニア期のアメショと暮らすにまとめています。

早期サイン早見表:この変化、どの病気のサイン?

気づいた変化 考えられる病気の例 急ぎ度
寝ているときの呼吸が速い・口を開けて呼吸 心臓病(HCM)など 高い:すぐ受診
おしっこが出ていない 尿道閉塞など 高い:すぐ受診
後ろ足が急に動かない 動脈血栓塞栓症(HCMの合併症)など 高い:すぐ受診
水をたくさん飲む・おしっこが多い 糖尿病、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症など 中:早めに受診
食べているのに痩せる 糖尿病、甲状腺機能亢進症など 中:早めに受診
血尿・トイレの回数が多い 膀胱炎、尿路結石など 中:当日〜翌日
口がくさい・よだれ 歯周病、口内炎など 低〜中:早めに相談
体型が丸くなってきた 肥満 低:健康診断で相談

「考えられる病気」はあくまで一例です。同じサインでも、ほかの原因のこともあります。

病気を遠ざける、アメショ飼いの5つの習慣

  1. 月1回の体重測定と体型チェック(BCS)
  2. 週1〜2回、寝ているときの呼吸数を数える(30秒数えて2倍)
  3. 水飲み場を複数用意して、飲む量をなんとなく把握する(飲水量チェッカー)
  4. 毎日のトイレ掃除でおしっこの量と回数を見る
  5. 年1回(シニアは年2回)の健康診断で「アメショなので心臓も」と伝える

毎日なでて、トイレを掃除して、遊んで、体重を量る。アメショのかわいさを毎日じっくり味わうことが、そのまま最強の健康チェックになります。世界一かわいい相棒と長く暮らすために、できることから始めてみてください。